寒い冬の夜
一人で歩く凍った歩道
見上げた先にはオリオン座
生まれ育った町でも見つけることができたこの星座を見つけると
生まれ育った町の夜空を思い出す
オリオン座を見上げていた昔の自分の姿を想う
オリオン座を見上げている今の自分の姿を想う
ここではオリオン座の三つ並んだ星の下の流星群までもが見える
見上げたオリオンの三つ並んだベルトにむかって飛ぶ飛行機の光が動く
星空の中を飛んでいる飛行機
私からはオリオンの一部になっている飛行機の光
私以外にはただの夜間飛行中の飛行機だろうか
他の星座の一部だろうか
飛行機に乗っている人は星座の中を飛んでいることに感動しているだろうか
陸地の夜景をみて感動しているだろうか
景色が見えない飛行機に落胆しているだろうか
ただの移動の手段というだけだろうか
何事も見る立場によって違うもの
真っ暗な中を飛ぶような時には
オリオン座の中を駆け抜けているのだと考えるのはどうか
その夜空を飛ぶ飛行機を見つけたちっぽけな自分は
間違いなく目を離さず、真っ暗な中を飛ぶ姿を見つめている